飲食店経営は厳しい ?原因から立て直す方法・最終的な解決策まで解説

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飲食店経営は、人気の高いビジネスである一方で、「厳しい」「難しい」ともいわれます。新店舗が続々とオープンする影で、多くの飲食店が閉店に追い込まれているのも事実です。今回は、飲食店経営が厳しいといわれる原因について徹底解説。厳しい経営状況を立て直す具体策や、最終的な決断・解決策もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

飲食店経営は厳しい?業界の廃業率

2022年の「宿泊業、飲食サービス業」の廃業率は5.6%

参考:中小企業庁「2022年版 小規模企業白書(HTML版)第2節 中小企業・小規模事業者の現状 第1-1-37図「業種別の開廃業率

2022年に中小企業庁から発表された調査 によると、「宿泊業、飲食サービス業」の廃業率は5.6%と業種別の中でトップの数値でした。対して開業率についても、17%で1番高い結果に。

宿泊業を含めた数値ですが、飲食店業界は入れ替わりや競争が激しく、経営が厳しい面もある業種であることが伺えます。コロナ禍による生活様式の変化や人手不足の加速など、さまざまな要因が考えられるでしょう。

また、帝国データバンクの資料(※)によると、2021年には569件の飲食店が倒産したとあります。コロナ禍が始まった2020年の780件に比べると減少したものの、1カ月あたり47件ほどと比較的高い数字であることが分かるでしょう。

※参考:帝国データバンク「特別企画:「飲食店」動向調査(2021年)

飲食店の経営が厳しいといわれる6つの原因

資金計画の立て方が甘い
収支の把握・管理が不適切
コンセプト設計が曖昧
マーケティング思考の不足
情勢や周辺環境の変化
慢性的な人手不足

飲食店経営が厳しいといわれる原因は、資金計画やコンセプト設計の甘さなど自社の問題から情勢の影響までさまざまです。主に考えられる原因6つを解説します。

資金計画の立て方が甘い

資金計画をしっかりと立てず飲食店を開業すると、経営が厳しくなるケースが考えられます。飲食店経営は、少ない資金で小規模からのスタートも可能です。しかし、開店後はさまざまな資金が必要で、資金繰りが甘く経営が不安定になるケースが散見されます。

飲食店を開業してすぐに売上を黒字続きにできるとは限りません。開業後は集客にかかる宣伝費や人件費、売上が少ない場合などさまざまな要素を見越し、ある程度ゆとりを持った資金の準備と計画が必要です。

収支の把握・管理が不適切

収入と支出をしっかりと把握できておらず、経営に行き詰まるケースもあります。収入と支出の具体的な数字や内訳、バランスをしっかりと管理できないと、利益率が分かりません。気づかないうちに赤字に陥っていた、というケースも考えられます。

毎日・毎月の売上金額だけでなく、支出として原材料費や家賃、水道光熱費、人件費などがどれくらいかかっているか、把握しましょう。

コンセプト設計が曖昧

お店のコンセプトやターゲット層の設計が曖昧だと、顧客からの支持を得られず、集客につなげられません。飲食店経営を軌道に乗せるために、コンセプトは明確にしましょう。

お店の雰囲気や提供するメニュー、ターゲット層などを細かく決めることが重要。他店との違いを明確にする差別化も重要な要素のひとつです。

マーケティング思考の不足

マーケティング思考とは、顧客のニーズを満たす商品やサービスを開発・提供することです。マーケティング思考が足りていないと、「顧客がどのようなサービスを求めているか」を把握できません。結果として流行に乗り遅れたサービスを続けてしまい、飲食店経営が厳しい状況に陥る可能性があります。

また、どれだけ魅力的なサービスやメニューを提供していても、適切なPRを行わなければ認知度が上がらず売上につながりません。

情勢や周辺環境の変化

新型コロナウイルスのような感染症の流行など、世の中全体に思わぬ事態が起こり、経営不振に陥るケースもあります。情勢の変化に関しては、飲食店経営者の努力だけでは解決が難しいでしょう。

また、近隣にライバル店舗が出現し売上が減少するなど、予想が難しい問題が原因で経営不振を招く場合もあります。

慢性的な人手不足

人材不足によって飲食店が回らなくなると、売上が低下して経営が厳しくなってしまいます。

飲食業界は、パートやアルバイトなど非正規雇用の人材が多く、人手不足が慢性化。人手不足は、1人あたりの業務負担や長時間労働を増やすきっかけになりやすいです。労働環境の悪化から従業員の離職が進んで、さらなる人材不足を生むといった悪循環を招いています。

飲食店が人手不足に陥る原因・対策はこちら

飲食店経営を立て直すには?

飲食店の厳しい経営状況を立て直すには、「なぜ経営が苦しいのか」原因を究明することが重要です。厳しい経営状況に陥った理由を明確にすることで、今後行うべき改善策がみえてきます。

原因を見つけ出す際は、資金繰りやマーケティング思考、外的要因など、さまざまな観点から可能性を検討することが大切です。経営状況の悪化は、複数の原因が混在している場合もあります。あらゆる可能性を踏まえて、原因を究明しましょう。

飲食店の厳しい経営状況を立て直す具体策

収支の把握・管理を徹底する
コンセプトを練り直す
ニーズ調査や効果的なPRを行う
サービスを見直して質を高める
店舗の移転を検討する

厳しい経営状況を立て直す方法として、収支の把握・管理を徹底することやコンセプトの練り直しなど、主に5つの策があります。自店が経営不振に陥った原因に合う解決策を講じましょう。

収支の把握・管理を徹底する

金銭面では、帳簿をつけて収入と支出をジャンルごとにまとめましょう。毎月の店舗運営にかかる支出を見直し、改善できるものがないか検討をしてみてください。たとえば、あまり使っていない設備のリース料金などが挙げられます。

計算が苦手な人は、会計ソフトを利用するのがおすすめ。専門的な知識がなくても、画面表示に従って必要事項を入力するだけで、視覚的にお金の流れを把握できます。

【経営を立て直すためのポイント】
・会計帳簿をつけて収入と支出のバランスを把握する
・不要な支出を見直す

コンセプトを練り直す

顧客の絶えない飲食店にするために、明確なコンセプト設計が重要です。今一度お店のコンセプトを考え、「コンセプトと提供サービスがぶれていないか」「ターゲットが適切であるか」などを見直しましょう。

コンセプトを練り直す際は、5W1Hをもとに細かく設定することがおすすめです。自身が得意とする分野と顧客心理を分析し、オリジナルのコンセプトを作り出しましょう。ターゲットを広く考えすぎず、ある程度絞ることも重要です。

【経営を立て直すためのポイント】
・コンセプトと提供サービスがぶれていないか確認する
・集客したい顧客層にあったコンセプト設計を行う

ニーズ調査や効果的なPRを行う

飲食業界のトレンドは短期間で変わります。現在の最新トレンドや顧客のニーズを把握し、ニーズを満たせるサービス開発や効果的なPRを行いましょう。

顧客のニーズを知るためには、市場や商圏の調査が重要です。ターゲットとする年代に合わせて、動画やチラシといったPR媒体を適切に選ぶことも欠かせません。

【経営を立て直すためのポイント】
・飲食業界のトレンドをキャッチする
・ターゲット層に合わせたPR方法を検討する

サービスを見直して質を高める

飲食店の厳しい経営状況を打開するには、現在のサービスやメニューをより魅力的なものに高める努力も大切です。流行が去ったメニューやサービスを提供していないか、価格が適正であるかなどを振り返ってみてください。

ライバル店に負けない「自店ならではの魅力」を出せるサービスの提供が重要です。接客対応に関しては、大きなコストをかけずに改善できるポイントでしょう。

また、店舗内の清潔を保つことも飲食店経営において忘れてはいけません。サービスやメニューの質が高くても、店内が不衛生な状態だと、リピート顧客を作り出すのは難しいでしょう。

【経営を立て直すためのポイント】
・既存サービス・メニューの内容や価格を見直す
・自店ならではの魅力をサービスに盛り込む

店舗の移転を検討する

近隣にライバル店ができた、過疎化が進み、人がいないなどの理由で集客ができないのであれば、店舗移転を行うのも解決策のひとつです。周囲の環境が原因の場合、思いきって店舗の場所を変えることで厳しい経営状況を打開できる可能性があります。

新しい店舗を見つける際は、自店のコンセプトやターゲット層に合う人を集客できそうな場所を選ぶことがおすすめ。周辺にライバル店が少ない環境であるかどうかも忘れてはいけません。

また、周辺地域の今後の都市計画や、人口の推移予想なども気にかけておくとよいでしょう。

店舗移転の流れや必要な手続きについてはこちら

どうしても飲食店の経営が厳しいときは?

・事業譲渡や株式譲渡を行う
・飲食店を閉店・居抜き売却する

紹介した立て直し策を実施しても、赤字が続き経営の継続が厳しい場合は、別の経営者への事業譲渡や閉店を考える必要があります。

事業譲渡とは、事業のみを新しいオーナーに引き継ぐことです。複数の飲食点を経営している場合などで、経営を立て直す際に有効な手段といえます。

飲食店の規模が大きく、株式会社として成立している場合は、会社の経営権を引き継ぐ「株式譲渡」も実施可能です。経営者を変更するだけのため、手続き自体はスムーズですが、負債も合わせて引き継ぐデメリットがあります。

また、思いきって飲食店の閉店を決断する方法も。閉店を考える場合は、「居抜き売却」がおすすめです。

居抜き売却とは、店舗の内装や設備を残した状態で売却することを指します。閉店にかかる費用が抑えられ、店舗の内装や設備の状態によっては高額で売却できる可能性があるため、負債の縮小が可能。実際に居抜き売却を行う際には、諸々手続きが必要なため、信頼のおける業者に依頼するのがおすすめです。

居抜き売却のメリット・デメリットや手続きの流れについてはこちら

飲食店経営に悩む方におすすめ!「店舗買取り.com」の居抜き売却

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飲食店の経営に関するQ&A

飲食店経営に必要な資格は?
経営が好調な飲食店の特徴は?
飲食店経営に向いている人の特徴は?

最後に、飲食店の経営に関するよくある質問をQ&A形式でご紹介します。

Q.飲食店経営に必要な資格は?

A.「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格が必要です。

飲食店経営を始める際は、「食品衛生責任者」と「防火管理者」の資格を取得しましょう。それぞれ指定の講習を受講することで、資格を取得できます。

また、飲食点を経営する際は、資格以外に行政機関への申請・届出や経営を軌道に乗せるためのコンセプト設計、資金準備なども大切です。飲食店経営を始める手順については、以下の記事をご確認ください。

飲食店経営を始める手順や必要な資格についてはこちら

Q.経営が好調な飲食店の特徴は?

A.コンセプト設計が明確であることや、収支管理が徹底されていることなどが挙げられます。

コンセプト設計が明確で、コンセプトに沿ったサービスを提供している飲食店は、比較的経営が好調である場合が多いです。また、売上や毎月必要な支出などお金の把握・管理を徹底している飲食店も、経営が順調な傾向にあります。

Q.飲食店経営に向いている人の特徴は?

A.計画性がある人や柔軟な対応ができる人などが向いています。

先を見据えて計画的に行動ができる人、最後までやり抜く責任感がある人は、飲食店経営に向いています。また、売上が伸びない苦境時でも柔軟な思考を持ち、切り替えて行動できる人なども前向きに経営を進められるでしょう。

飲食業界では、経営能力の他にマネジメント能力やオリジナルメニューを開発するアイディア、状況に柔軟に対応できる行動力も求められます。

飲食店経営を始める手順や必要な資格についてはこちら

飲食店の経営が厳しいときは、思いきった決断も視野に

飲食店の経営が厳しい理由には、資金面やマーケティング思考の不足、人材不足など、さまざまな要素が考えられます。厳しい経営状況を立て直すために、原因を究明し、収支の把握・管理を徹底したりコンセプトを設計し直したり、改善策を実践してみましょう。

もし、対策を行なっても経営が厳しい場合は、思いきって飲食店を閉店する選択肢もあります。

「店舗買取り.com」は、飲食店舗の売却・撤退・閉店を一貫してサポート。業界初の「売却手数料0円」で、飲食店経営者様のお悩みに寄り添います。

経営状況が厳しい飲食店オーナー様、コストをできる限り抑えて早期に店舗を売却したい方はぜひお気軽にご相談ください。

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