飲食店を店舗移転する際の5つの流れ!必要な費用や手続き・成功のポイントも解説

飲食店を経営する中で、大きな決断が必要となる店舗移転。いざ店舗移転を実行しようにも、どのような流れになるのか不安の方もいるでしょう。ここでは、具体的な流れや閉店・開店する際に必要な手続き、気になる費用についてご紹介します。あわせて、飲食店の店舗移転を成功させるポイントについても解説するので、ポイントを押さえて成功の確率を高めましょう。
飲食店が店舗移転する目的

実行するには勇気のいる店舗移転ですが、どういった目的で実行される場合が多いのでしょうか。ここでは、飲食店が店舗移転する主な3つの目的について解説します。
集客を増やすため
飲食店は、立地によって集客が大きく変わります。駅前などアクセスが良い場所に移転することで、利用する人の利便性を高められるでしょう。多くの人々が行き来する場所に店舗を構えることで、より集客も見込めます。
また、現時点で行列ができていたり、予約がいっぱいで失客につながっていたりする場合にも、より広い店舗への移転を考えるのもおすすめです。
経営を改善するため
来客数が予想より少ない場合も、店舗移転を考える必要があります。テナント料は、固定費の中でも高い割合を占めることが多く、負担になることもあるでしょう。継続的に毎月払っていかなければならないため、場合によっては経営を圧迫する可能性があります。
また、テナント料が経営を圧迫していない場合でも、固定費を下げることで利益を増加させることもできます。経費に余裕ができれば、設備やマーケティングなどに費用を投じられるというメリットもあるでしょう。
業態変更やリブランディングを図るため
業態を変更する場合や、ブランドイメージの刷新を図るために移転を行うケースもあります。これまでレストランとして経営していたお店をカフェやバーへ転換させる際にも、移転を検討するかもしれません。
また、ファストフードからフルサービスレストランへの変更などでも、検討対象となるでしょう。飲食店は立地によってターゲット層が異なり、需要も変わってきます。その業態に最も合う立地を選ぶことが大切です。
飲食店が店舗移転する具体的な流れ
さまざまな目的のうえ実施される店舗移転ですが、実際どのような流れで行うのでしょうか。ここでは、飲食店が店舗移転する際の具体的な流れをご紹介します。
1.移転先を探す
移転先を探す際には、まず移転先の物件を探しから始めましょう。現在、赤字になっている場合には、閉店を決めてから移転先を探す方法もあります。しかし、経営している飲食店の利益が出ている状態で先に閉店を決めてしまうと、移転先がなかなか決まらない場合に無収入になる恐れがあるので注意が必要です。
ケースバイケースですが、新しい業態に合った移転先をリサーチするなど行動を移すとよいでしょう。
2.店舗移転のお知らせをする
移転先が決まったら、お得意先やお客様等にお知らせのチラシやメールを送りましょう。移転先が決まる前に先に閉店する場合でも、閉店のお知らせを送っておき、新しい店舗の準備をしていることを伝えておくのがおすすめ。
リピーターのお客様は、たとえ業態が変わったとしても、移転先に来てくれる可能性が高いです。お知らせは、お店の印象にも関わるため、早い段階で丁寧に行うようにしましょう。閉店のお知らせを送っておくことで、これまでの感謝を伝えられるとともに、お客様の足が新店舗に向くよう道も作ることができます。
【例文1】 平素より当店をご利用いただきまして、誠にありがとうございます。 誠に勝手ではございますが、当店は◯月◯日を持ちまして閉店することとなりました。 長年にわたる格別のご愛顧を心より感謝申し上げます。 【例文2】 いつも当店をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。 この度◯◯は、◯月◯日から店舗を下記住所へ移転することになりました。 現在の店舗は、◯月◯日を持ちまして閉店いたします。 引き続きご愛顧のほど、どうぞよろしくお願いいたします。 |
3.現店舗を閉店する
移転先が決定した後は、現店舗の貸主、もしくは管理会社に連絡し、解約予告を行います。その後、原状回復業者を手配しましょう。退去時は原状回復、もしくはスケルトン状態に戻す必要があります。
基本的に契約する前の状態へ戻すことが前提となりますが、対象範囲は賃貸契約書に記載されていることが多いため、よく確認しましょう。居抜き状態での契約であっても、スケルトン状態を求められることもあります。
| 原状回復とは | スケルトン状態とは |
| 物件を契約する前の状態に戻すこと | 天井や床、壁など建物の骨組み以外の内装がない状態に戻すこと |
4.新店舗の開店準備を進める
新店舗の開店に間に合うよう、店舗の内装工事を進めていきます。開店日を見据えて、新店舗に必要な機器や家具などを揃えましょう。前の店から持ってくるものと、新たに購入するものはリストアップして、手違いのないよう慎重に進めます。
また、内装は、集客や売上に直結する部分です。閉店と開店の準備が同時期に重なると忙しく感じるかもしれませんが、打ち合わせなどは手を抜かず丁寧に行いましょう。
5.新店舗を開店する
すべての準備が整ったら、いよいよ新店舗を開店します。開店したことを、旧店舗でのお得意先やお客様等にお知らせするため、チラシやメールを送りましょう。また、開店キャンペーンなどを実施してスタートダッシュを図るのもおすすめです。
店舗移転に必要な手続きと費用
飲食店を店舗移転する際には、さまざまな手続きが必要です。ここでは、閉店と開店それぞれに必要となる手続きと費用について解説します。
現店舗の閉店時

閉店時の主な手続き
現店舗を閉店する際は、税務署や保健所、警察署などへ以下の手続きが必要です。
| 場所 | 必要な手続き |
| 税務署 | 個人事業の開業・廃業等届出書の提出 給与支払事務所等廃止届出書の提出 所得税の青色申告の取りやめ届出書の提出 事業廃止届出書の提出 |
| 保健所 | 廃業届の提出 飲食店営業許可書の返却 |
| 日本年金機構 | 健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届の提出 雇用保険適用事業所廃止届出(事業主控)のコピーの提出 |
| 警察署 | 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の廃止届の提出 風俗営業の返納理由書の提出※ 風俗営業の営業許可書の返却※ ※風俗営業の許可を得ている場合のみ |
| 消防署 | 防火管理者解任届出書の提出 |
| 公共職業安定所 | 雇用保険適用事業所廃止届の提出 雇用保険被保険者資格喪失届の提出 雇用保険被保険者離職証明書の提出 |
| 労働基準監督署 | 労働保険確定保険料申告書の提出 |
保健所には、廃業届と、営業許可証の返却、税務署には管轄の廃業届の提出が必要です。移転する場合でも変更届ではなく、返却、廃止となります。
飲食店の業態によって提出していた書類の種類は異なるため、事前にリストアップして、漏れのないようにしましょう。
閉店にかかる主な費用
閉店する際には、基本的に以下のような費用がかかります。解約予告期間分の家賃はもちろん、その間にかかる水道光熱費も頭に入れておきましょう。リース契約には、途中解約違約金が発生します。
また、賃貸借契約書によりますが、ほとんどの場合、原状回復が必要です。実施する場合、原状回復をするための工事費用もかかります。
| ・解約予告期間分の家賃・水道光熱費 ・リース契約の途中解約違約金 ・原状回復工事の費用 ・従業員の給料・解雇手当 など |
2026年現在における追加費用と最新トレンド
2026年現在の状況(法規制の変化や物価高)を踏まえると、いくつか大きな追加費用や注意すべきトレンドがあります。以前の感覚で予算を組むと、想定を大きく超える可能性が高いので、以下の4点を追加で考慮しておくことをおすすめします。
1. 原状回復費用の「大幅な高騰」
建設・物流業界の「2024年問題」に起因する人手不足と、建築資材の価格高騰が継続しています。2023年以前と比較し、原状回復の坪単価が1.5倍〜2倍近くに跳ね上がるケースも珍しくありません。「以前このくらいでできたから」という見積もりは通用しないと考え、早めの査定が必要です。
2.アスベスト(石綿)事前調査の義務化に伴う費用
2023年10月より、建物の解体・改修工事(内装解体含む)の際、有資格者による「アスベスト事前調査」が完全に義務化されました。これにより、工事費とは別に数万円〜十数万円の調査費用が確実に発生します。また、万が一アスベストが検出された場合は、高額な特別除去費用が必要になります。
3.デジタルツール(SaaS)の解約違約金とデータ処理費
DX化が進んだ現在、POSレジ、予約管理、シフト管理などのクラウドサービス(SaaS)の契約解除も重要です。最低利用期間内の違約金のほか、顧客データの抽出や移行、あるいは個人情報保護に基づいたデータ破棄の手数料が発生する場合があります。
4.コロナ禍等で受給した「補助金の返還」リスク
「事業再構築補助金」などを活用して店舗を運営していた場合、規定の事業継続期間(一般的に3〜5年)を満たさずに閉店すると、受給した補助金の返還を求められるケースがあります。閉鎖前に、受給条件や財産処分に関するルールを必ず再確認してください。
これらのコスト増大を背景に、現在は店舗をスケルトン(空っぽの状態)に戻すのではなく、内装や設備を次の店に引き継ぐ「居抜き退店」の重要性が増しています。大家さんに対して、原状回復免除を条件とした居抜き譲渡の交渉を早期に始めることが、最も有効な節約術となります。
新店舗の開店時

閉店時の主な手続き
移転先を開店する際には、以下のような手続きが必要です。
| 場所 | 必要な手続き |
| 税務署 | 開業届の提出 |
| 保健所 | 開業届の提出 飲食店営業許可書の申請 |
| 警察署 | 深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出 |
| 消防署 | 防火管理者選任届出書、防火対象物設備使用開始届書などの提出 |
税務署と保健所に、開業届を提出しましょう。警察署には深夜酒類提供飲食店営業開始届出書の提出も必要です。また、防火管理者選任届出書や、防火対象物設備使用開始届は消防署に提出します。
この他、移転先の労働保険確定保険料申告書の提出や住所変更の届出なども必要です。飲食店の業態によって、提出していた書類の種類は異なるため、以前開店した際に行った書類を整理し、必要な手続きを確認しておくとよいでしょう。
開店にかかる主な費用
開店に必要な費用は、基本的に以下の通りです。保証金・礼金・仲介手数料などの物件取得費や、内装や設備などにも費用がかかります。また、開店したことを知らせる宣伝を実施した場合、広告費もかかるでしょう。
また、開店時には初期仕入れ費用もかさむことが多いため注意が必要です。数ヶ月分の運転資金も頭に入れておきましょう。
| ・物件取得費(保証金・礼金・仲介手数料・前賃料など) ・設備・内装費 ・宣伝広告費 ・初期仕入れ費用 ・運転資金 |
【飲食店向け】店舗移転を成功させる3つのポイント
ここでは、飲食店の店舗移転を成功させるために知っておきたい3つのポイントについてご紹介します。
店舗の移転先を慎重に見極める
店舗移転先を探す際には、以下のポイントを意識して探しましょう。
| 【チェックしておきたいポイント】 ・立地 ・ターゲット層 ・家賃 ・物件の広さ |
立地は重要なポイントです。お客様が見つけやすく入りやすい立地であるか、よくチェックしましょう。繁華街で人の往来が盛んであっても、周囲の店舗の雰囲気とお店のターゲット層がかけ離れていては、望むような成果は得られにくいです。需要を見極め、ぴったりの立地を探しましょう。
もし現店舗が狭くて移転を考えている場合には、物件の広さも重要です。予算と必要な広さとの兼ね合いでよく検討しましょう。
多角的な方法で店舗物件を探す
移転先の探し方にはさまざまな方法があります。
1つの方法にとらわれると、可能性を狭めてしまいます。さまざまな方法を組み合わせて、ぴったりの店舗物件を探すことがおすすめです。
| 【移転先を探す主な方法】 ・不動産会社に相談する ・不動産ポータルサイトを見る ・知り合いの紹介を受ける など |
現店舗を居抜き売却する
現店舗の閉店には、一般的に原状回復工事の費用がかかります。内装の状態によるものの、原状回復工事の費用や、工事日数などが大きく負担になることもあるでしょう。
この費用を抑える手段として、「居抜き売却」があります。
居抜き売却とは、店舗を売却する際に、内装や設備をそのままの状態で売却することです。居抜き売却ができれば、費用負担の大きい原状回復工事が必要なくなります。
また、まとまった売却益が手に入る場合もあるため、新店舗の内装費や開店準備資金に充てられる可能性もあるでしょう。
店舗移転をする際は「店舗買取り.com」で賢く売却!

| 【店舗買取り.comがおすすめの理由】 ・売却・掲載・サポート・手数料すべて「0円」 ・「買取」と「売却サポート」の二重体制で確実な撤退を実現 ・原状回復費用を回避!造作譲渡で「プラスの撤退」へ |
店舗買取り.comでは、閉店時に必要な申請や手続き、テナント貸主との交渉など、店舗売却の手続きを徹底サポート。そのため、居抜き売却に詳しくない飲食店オーナー様でも、円滑に手続きを進めることが可能です。
さらに、店舗買取り.comは売却にかかる手数料・掲載料・その他の手数料など一切費用が掛かりません。「自社での物件仕入れ」を目的としているため、飲食店オーナー様から手数料をいただく必要がないためです。
また、11万人を超える出店希望者が登録している、「居抜き店舗.com」も合わせて運営しています。たくさんの出店希望者が登録しているため、理想的な売却先を見つける際も心強い見方です。店舗を閉店・撤退しようと考えたときは、店舗買取り.comへご相談ください。
居抜き売却は「店舗買取り.com」にご相談を!詳しくはこちら!
飲食店の店舗移転に関するQ&A
飲食店経営をよりよくするための手段のひとつである店舗移転。ここでは、飲食店を店舗移転する際によくある質問についてお答えします。
Q.店舗移転のお知らせは何で送る?
| A. ホームページやSNS、ハガキでの案内に加え、「Googleマップの店舗情報」も必ず更新しましょう。 |
閉店前の店内へ大きく貼りだす他、お店のホームページ、SNSなどに掲示するのが効果的です。リピーターの人は、たとえ業種が変わったとしても、移転と知れば新しい店舗に来てくれることもあるため、必ず知らせましょう。親しい間柄の場合には、ハガキやDMを送付する方法もあります。
さらに近年では、お客様が検索した際に最も見られる「Googleビジネスプロフィール(Googleマップ)の店舗情報更新」も忘れずにおこなうことが重要です。
Q.店舗移転時に活用できる補助金制度はある?
| A. 小規模事業者持続化補助金などがあります。 |
小規模事業者持続化補助金や事業再構築補助金などが店舗移転に活用できます。その他、時期によって使える補助金制度もあるため、官公庁のホームページなどをチェックしましょう。
※注意点として、過去に補助金(事業再構築補助金など)を活用して現店舗を改装・運営していた場合、規定期間内の移転や閉店で【補助金の返還義務】が生じるリスクがあります。事前に必ず条件を確認しましょう。
| 【主な補助金制度】 ・小規模事業者持続化補助金 ・事業再構築補助金 など |
Q.店舗移転するメリット・デメリットは?
| A. 経営状態を改善できる可能性がありますが、費用がかかるデメリットもあります。 |
立地や業態を変えることで、経営状態を改善できる可能性があるでしょう。しかし、原状回復工事や新たな店舗の内装、設備などに費用がかかります。また、リピーターを失う恐れもあるため、店舗移転を考える際は留意しておきましょう。
| メリット | デメリット |
|---|---|
| ・経営状態を改善できる ・業態を変えられる ・流行に乗ることができる | ・顧客を失う恐れがある ・費用がかかる |
Q.店舗移転にかかる費用を抑えるには?
| A. 原状回復工事の費用を節約しましょう。 |
店舗移転する際に大きな費用といえば、現店舗の原状回復工事費です。この費用を節約することができれば、負担は軽くなるでしょう。
その場合、居抜き売却(造作譲渡)をして費用を抑えることも可能ですので、信頼のおける専門業者に相談してみましょう。
流れやポイントを押さえて、店舗移転を成功させましょう
飲食店が店舗移転をする目的はさまざまです。すぐに実行しなくとも、移転までの流れや手続きを知っておくことで、今後の経営方針を決める際に役に立つでしょう。
店舗移転は、立地や業種を変えられる、経営状態を改善できるなどのメリットがある反面、費用に関してはデメリットに感じることもあります。原状回復工事をせずに居抜き売却をするなど、デメリットは工夫次第で精神的な負担や費用を軽くできるでしょう。不安な方はまずは業者に相談することがおすすめです。
「店舗買取り.com」では、飲食店舗の売却・撤退・閉店などを一貫してサポートいたします。業界初の「売却手数料0円」で、飲食店オーナー様のお悩みに寄り添いますので、安心してお任せください。
店舗移転をお考えの方で、現在の店舗をできる限り高額、かつ早期に店舗を売却したいオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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