厨房設備の耐用年数は8年って本当?減価償却や買い替えのタイミングも 解説

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飲食店の要である厨房設備には、「耐用年数」という会計上のルールがあります。厨房設備の耐用年数を知ることは、飲食店の営業や上手な経営に欠かせません。今回は、厨房設備等の耐用年数について解説します。国税庁が定める厨房設備の種類別の耐用年数や減価償却、おすすめの買い替えのタイミングについてもご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

そもそも耐用年数とは?

耐用年数とは、厨房設備や家電、家具など「資産の価値」が保たれる期間です。

耐用年数とは、飲食店で使用する厨房設備や家具、家電などの資産を使用できる期間です。

国税庁では、事業に必要な設備や機器、備品など一部の資産は、年月が経つほど価値が下がると定めています。このように、一定期間のみ本来の価値が維持される資産を「減価償却資産」と呼びます。

耐用年数は、減価償却資産の「減価償却」が可能な期間です。国税庁のサイトでは、設備ごとの耐用年数が公開されており、誰でも簡単に詳細を確認できます。

厨房設備の「減価償却」についてはこちら

耐用年数と耐久年数の違い

耐用年数設備や機器など対象の資産を使用できる期間 法律で決められている
耐久年数設備や機器を問題なく使用できる期間 メーカーなどが独自に決めている

耐用年数と似た言葉に、耐久年数があります。耐久年数は、設備や機器についてメーカーなどが基準を設け、「問題なく使用できる」と定めた期間です。耐用年数は前述の通り、厨房設備や建物などの資産を使用できる期間として、法律で定められています。

設備や機器の耐久年数はあくまでも目安です。耐用年数は設備ごとに法的に年数が定められています。

国税庁が定めている厨房設備の耐用年数

厨房機器の名称耐用年数
陳列だな、陳列ケース(冷凍機付・冷蔵機付のもの)6年
冷房用・暖房用機器6年
電気冷蔵庫、電気洗濯機その他これらに類する電気・ガス機器6年
氷冷蔵庫、冷蔵ストッカー(電気式のものを除く。)4年
食事・ちゅう房用品(陶磁器製・ガラス製のもの)2年

出典:国税庁「耐用年数(器具・備品)(その1)

国税庁では、厨房設備の種類ごとに「法定耐用年数」を定めています。たとえば、陳列だなや陳列ケース、電気冷蔵庫は6年、陶磁器製・ガラス製の厨房用品は2年です。

設備や製品により耐用年数が異なるため、自店の備品や設備がどれにあてはまるか、正しく把握しておきましょう。

厨房設備の耐用年数が過ぎていたら?

厨房機器の耐用年数が過ぎても、設備がすぐに故障したり使えなくなったりするわけではありません。耐用年数は耐久年数とは異なり、「減価償却」の処理に関わる期間であるためです。

耐用年数が過ぎると、会計上その設備の資産価値は0になってしまいます。よって、耐用年数を目安に厨房機器の買い替えを行えば、減価償却による節税を目指せるでしょう。減価償却の仕組みについては、次の章で詳しく解説します。

なお、耐用年数が過ぎると、徐々に故障の可能性が高くなりやすいのも事実。耐用年数を目処に厨房設備の買い替えを行い、営業中のトラブルを防ぐといった考え方も重要です。

厨房設備の減価償却とは?

減価償却とは、厨房設備などの取得費用を、その資産の耐用年数に則って少額ずつ経費に計上する会計ルールです。

たとえば、飲食店の電気冷蔵庫を30万円で購入した場合、減価償却のルールが適用されるため、この費用を一括で経費に計上はできません。法定耐用年数である「6年」で分割し、経費に形状する必要があります。

減価償却の対象となるものは、主に経年劣化を伴う高額な資産です。飲食店であれば、厨房機器や調理器具がこれにあたります。

なお、高額でも経年劣化しないものは減価償却の対象外です。決算の際は店の資産として計上するか、売却を行います。

対象となる資産対象外となる資産
・冷蔵庫
・冷房機器
・調理器具 など
・借地権
・絵画
・骨董品 など

減価償却のメリット

減価償却は、会計上では厨房設備などの費用を支払った形式として残りますが、実際に手元から出ていく資産はありません。最初の年に出費はあるものの、2年目以降は帳簿上でのみの支出であるため、記載した分の金額を飲食店の資産として残せます。

耐用年数に応じて経費計上することで、課税対象となる利益が減り、節税効果を得られるでしょう。また、減価償却は、保有している資産の評価にも使用できます。

減価償却の計算方法

定額法減価償却費=取得価額×定額法の償却率
定率法①減価償却費=未償却残高×定率法の償却率
②改定取得価額×改定焼却率※

※①の計算で償却保証額に届かなくなった場合は、②で算出

減価償却費は、「定額法」と「定率法」の2つの方法で計算できます。

定額法は、資産の取得にかかった費用を耐用年数で均等に分割し、毎年同じ金額を経費として計上する計算方法です。一方、定率法は、年度ごとに負担率を変え経費計上をする方法。初年度の負担額がもっとも高く、その後は年数を追うごとに低くなっていきます。

ソフトウェアや特許権など無形固定資産や建物などは、定額法での算出するルールがありますが、その他は自由に選択可能です。営業状況に合わせて、減価償却を行いましょう。

厨房設備を買い替えするタイミング

目安の耐用年数を経過したとき
厨房設備が故障したとき
事業内容の拡大・変更を検討しているとき

厨房設備は、耐用年数を経過したとき以外に、設備の故障や事業の節目などで買い替えるのがおすすめです。ここでは、厨房設備を買い替えるおすすめのタイミングをご紹介します。

目安の耐用年数を経過したとき

「耐用年数=故障する年数」ではありませんが、買い替えの目安として把握しておくとよいでしょう。

一般的な飲食店で使用する厨房設備の耐用年数は、6〜8年ほどのものが多くあります。厨房設備を買い替える際、耐用年数が大幅に過ぎた古い設備は、売却価値が出ないケースも。売却益が出ず処分しなければならない場合、別途処分費用も必要です。

厨房設備を効率よく買い替えるためにも、耐用年数を目安のひとつにしましょう。

厨房設備が故障したとき

厨房設備の故障も買い替えの目安です。製造から時間が経過した設備の場合、修理を依頼しても交換できる部品がなく、断られるケースがあります。大幅な修理が必要な場合、営業を止めなければならない可能性も。

飲食店の営業に支障をきたさないためにも、メーカーに故障時の対応がいつまでできるのかなど、確認をしておくことが重要です。

また、厨房設備が故障に至る前の前兆がある場合は、早めに買い替えを検討しましょう。たとえば、冷蔵庫が冷えにくい、オーブンの電源が入りにくいなどです。

事業の拡大・変更を検討しているとき

飲食店を新規出店したり事業内容を変更したりする際も、厨房設備の買い替えにおすすめのタイミングです。店舗のサイズや業務内容に合っていない厨房設備では、操作性が悪くオペレーションの悪化につながります。効率よく業務を行い、顧客を増やすためにも買い替えがおすすめです。

また、居酒屋からカフェに転身するなどのケースでも、既存の厨房設備を使い回すのには限度があります。新しい事業に適した厨房設備を導入しましょう。

厨房設備の耐用年数を知り、上手な節税を目指そう

厨房設備の耐用年数とは、その設備の価値が保たれる期間です。耐用年数は、厨房設備や備品の種類ごとに定められています。

耐用年数が過ぎても、すぐにそれらの設備が使えなくなるわけではありません。しかし、耐用年数を目安にタイミングをみて、新しい厨房設備に買い替えることで、減価償却による節税効果が見込めるでしょう。

厨房設備以外に建物や内装が老朽化している場合は、新店舗に移転を考えるのも集客の面で効果的です。飲食店舗の移転を行う際は、「居抜き売却」がおすすめ。既存の店舗を単に閉店するのと比べて撤退費用を抑えやすく、設備や内装の売却益が入る可能性もあります。

コストをできる限り抑えて居抜き売却をしたい飲食店オーナー様は、ぜひ「店舗買取り.com」へご相談ください。

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