【保存版】飲食店の閉店手続き・届け出を完全網羅!スケジュールと費用削減法

大切に育ててきた飲食店を閉店・廃業するという決断は、飲食店オーナー様にとって非常に大きなエネルギーを必要とするものです。いざ閉店を決めても、「何から手をつければいいのか」「行政への届け出に漏れはないか」と不安を抱えることも多く、段取りを誤ると余計なコストが掛かったり、手続き漏れによるトラブルにつながりかねません。
本記事では、個人事業主として出店されている飲食店の閉店・廃業までの全体スケジュールと手続きの流れ、必要な届出先と必要書類、そして閉店コストを大幅に削減できる可能性のある「居抜き売却」までを網羅的に解説します。この記事を読み終えるころには、やるべきことのリストが完成している状態になります。スケジュールを正しく把握して、スムーズに次のステップへ進むための参考にしてください。
飲食店を閉店する際の全体スケジュールと流れ
飲食店の閉店・廃業手続きは計画的に進めないと、閉店・廃業をしたのに家賃を払い続ける必要があるなど、余計な出費が発生する可能性があります。まずは全体の大まかな流れを確認しておきましょう。
1. 物件の解約予告と閉店日の決定
閉店・廃業を決断して一番最初に行うべきなのは、「物件の賃貸借契約書の確認」です。店舗物件の場合、解約告知機関は「解約希望日の3〜6ヶ月前」に設定されていることが一般的です。例えば12月末にお店を閉めたい場合、夏までには解約告知をしておくイメージです。この期間から逆算して、正式な閉店日と退去日を決定しましょう。
2. 従業員・取引先・お客様への告知
閉店日が決まったら、周囲への告知を行います。まずは、一緒に働いてくれた従業員へ遅くとも解約の1ヶ月前までには伝えましょう。解雇にあたる場合は、労働基準法で原則30日前に予告することが定められており、間に合わない場合は不足日数分の解雇予告手当が発生します。その後、お世話になった仕入先や取引先、業者へ連絡を行い、最終仕入れの調整に入ります。
お客様への告知は、閉店前の1〜2ヶ月前を目安に店頭ポスターやSNSなどでお知らせするのが一般的です。挨拶文に盛り込むべき内容や、張り紙のテンプレートなどについては、以下の記事で詳しく解説しています。
「閉店のお知らせ」例文をご紹介!書くべき内容や告知方法について
3. 行政や関係各所への手続き・届出の準備
閉店・廃業の前後には、保健所や税務署など複数の行政機関へ書類提出や届出が必要です。提出期限がバラバラで、「閉店後何日以内」と定められているものが多いため、事前に必要書類をリストアップして準備を進めておくと安心です。
飲食店閉店時に必要な行政への届出先一覧

飲食店を閉店・廃業する際に関わる主な行政機関は大きく分けて3つです。
それぞれの機関でどのような手続きが必要かをそれぞれ解説します。届出は、出し忘れると罰則の可能性があるものと、出し忘れると税務や保険の精算が進まず損をするものが混在するので注意しましょう。
また、届出の提出期限が短いものも存在します。閉店日を起点に、10日以内、1ヶ月以内、50日以内、翌年3月15日といった期限の山を意識して優先順位を付け、対応漏れのないように進めましょう。
保健所・警察署・消防署(許認可・設備に関する手続き)
店舗の営業許可や、設備に関わる届出先です。それぞれの管轄機関で必要な手続きを確認しましょう。
| 届出先 | 提出書類 | 期限 |
| 保健所 | ・廃業届 ・飲食店営業許可書(返納) | 廃業日から10日以内 |
| 警察署 | ・深夜酒類提供飲食店営業の廃止届出書 ・風俗営業の廃止届出書および許可書の返納など | 廃業日から10日以内 |
| 消防署 | ・防火管理者解任届出書 ・(必要に応じて)防火対象物の使用廃止届など | 期限なし(速やかに提出) |
- 保健所への届出
保健所への提出期限は廃業日から10日以内としている自治体が多いですが、地域差があるため管轄の保健所のウェブサイト等で確認しましょう。手続きには許可番号などの記入が必要になるため、「飲食店営業許可書」を準備しておくとスムーズです。 - 警察署への届出(※該当する店舗のみ)
深夜12時以降にお酒を提供する「深夜酒類提供飲食店」として届出をしていたお店や、接待を伴う「風俗営業許可」を取っていたお店のみ必要な手続きです。一般的なカフェや、深夜営業をしていない飲食店は警察署での手続きは不要です。 - 消防署への届出
開業時に防火管理者を選任していた場合には届出が必要で、防火管理者を外す手続きを行います。明確な期限が定められていないケースが多いですが、廃業日に合わせて速やかに提出しておきましょう。また、管轄の消防署によっては別途「防火対象物使用廃止届」などを求められる場合があるため、事前に電話等で確認しておくと安心です。
税務署・都道府県税事務所(税務に関する手続き)
事業そのものをたたむ場合、税務署等で税務関連の手続きが必須です。提出書類が複数あるため、漏れがないようチェックしておきましょう。
| 届出先 | 提出書類 | 期限 |
| 税務署 | ・個人事業の開業 ・廃業等届出書(廃業届) | 廃業日から1ヶ月以内 |
| ・給与支払事務所等の開設・移転・廃止届書 ※従業員や専従者を雇っていた場合 | 廃業日から1ヶ月以内 | |
| ・所得税の青色申告の取りやめ届出書 ※青色申告をしていた場合 | 廃業した年の翌年3月15日まで | |
| ・事業廃止届出書(消費税) ※消費税の課税事業者であった場合 | 廃業後、速やかに | |
| 都道府県税事務所 | ・個人事業の事業廃止届・異動届など (名称は自治体により異なります) | 自治体ごとに異なる (例:東京都は15日以内) |
- 税務署への届出
基本となる「廃業届」のほか、状況に応じて複数の書類提出が必要です。従業員に給与を支払っていた場合は「給与支払事務所等の廃止届書」を、青色申告で確定申告をしていた場合は「青色申告の取りやめ届出書」を税務署へ提出します。また、消費税の課税事業者になっている場合は「事業廃止届出書」も忘れずに提出しましょう。 - 都道府県税事務所への届出
個人事業税に関する廃止の手続きです。提出期限や書類の名称が自治体によって異なるため、管轄の都道府県税事務所のホームページ等で確認し、期限に従って提出しましょう。税務関係の手続きは後回しにせず、閉店が決まったら国税庁のサイトなどからフォーマットをダウンロードし、早めにまとめて進めるのが安全です。
年金事務所・ハローワーク・労働基準監督署(労務に関する手続き)
パートやアルバイトを含む従業員を雇用し、社会保険(健康保険・厚生年金)や労働保険(労災保険・雇用保険)に加入している場合は、以下の手続きが必要です。従業員を雇わず、一人または家族のみで営業していた場合は不要です。
| 届出先 | 提出書類 | 期限 |
| 年金事務所 | ・健康保険・厚生年金保険適用事業所全喪届 | 廃止の事実発生から5日以内 |
| ハローワーク(公共職業安定所) | ・雇用保険適用事業所廃止届 ・雇用保険被保険者資格喪失届 ・雇用保険被保険者離職証明書(離職票) | 廃止日の翌日から10日以内 |
| 労働基準監督署 | ・労働保険確定保険料申告書 | 廃業日から50日以内 |
- 年金事務所への届出
従業員を雇い、健康保険・厚生年金の適用事業所となっていた場合に必要な手続きです。添付書類として、事業主の本人確認書類のほか「税務署へ提出した廃業届のコピー」または「ハローワークへ提出した雇用保険適用事業所廃止届のコピー」などを求められるため、他機関での手続き書類の控えは必ず保管しておきましょう。 - ハローワーク(公共職業安定所)への届出
雇用保険に加入している従業員がいる場合、ハローワークへの書類提出が必要です。とくに「離職証明書(離職票)」の発行が遅れると、退職した従業員が失業給付(失業保険)を受け取る手続きに遅れが生じてしまいます。一緒に働いてくれたスタッフのその後の生活を守るためにも、事業主側の実務として最優先で進めるべき手続きです。 - 労働基準監督署への届出
労働保険(労災保険・雇用保険)は、年度初めに概算で保険料を前払いしているケースが一般的です。そのため、廃業日から50日以内に「労働保険確定保険料申告書」を提出し、これまで支払っていた保険料の精算(不足分の納付、または納めすぎた分の還付)を行います。
行政以外に必要な連絡・解約手続き

行政への届出と並行して、資金繰りや固定費に直結する「契約解約・精算」を進めます。見落としが出やすい領域なので注意が必要です。
手続きの漏れを防ぐには、通帳やクレジットカード明細、直近の請求書から、毎月発生している支払いを洗い出して一覧化することです。契約書が見つからないものも、請求元が分かれば解約窓口にたどり着けます。届出や手続き方法が多岐にわたりますが、早めに連絡や確認をして、ひとつずつ着実に進めていきましょう。
金融機関への報告・リース品の精算
【金融機関への報告】
現在融資を受けている場合、金融機関へは閉店・廃業の方針が固まり次第、速やかに担当者に連絡と相談をします。返済条件の見直しや、売却予定資産の扱い、口座振替の最終引落日など、閉店後に変更が必要な事項が多いからです。黙って返済だけ続けると、追加の相談や手続きが難しくなることがあるため、早めに相談するようにしましょう。
【リース品の精算】
厨房機器やPOSレジなどをリース契約している場合、途中解約に伴う違約金や一括返済、または機器の買取・返却手続きが必要です。停止手順がそれぞれ異なるため、解約までに日数がかかる場合があります。閉店・廃業が決まった段階であらかじめ確認しておきましょう。
インフラ(電気・ガス・水道・通信)の解約
電気・ガス・水道などのインフラ関係は、閉店日・原状回復工事期間・明渡し日の3点セットで停止日を決めます。
- ガス
閉栓立ち合いが必要な場合もあります。繁忙期に重ならないよう早めの手配を行いましょう。 - 水道
清掃や解体工事で使う場合があります。施工業者へ確認と相談のうえ停止日を決定しましょう。 - 通信
撤去工事や機器返却が必要な契約もあるため、停止希望日から逆算して業者へ連絡をしましょう。
飲食店の閉店にかかる費用とコスト相場
閉店費用は、「原状回復工事費用」「撤去・廃棄費用」など複数のコストが発生します。店舗規模や契約条件によって振れ幅が大きいため、内訳ごとに相場観と変動要因を把握しておくことがポイントです。主なものを例として挙げると以下の通りです。
| 主な費用 | 詳細 |
| 原状回復費用(スケルトン戻し) | 物件を借りた当時の状態に戻すための工事費用。飲食店の閉店において最も大きなコストとなる。 |
| 空家賃 | 解約予告期間中に営業を停止した場合でも、契約終了日まで発生する家賃。 |
| 廃棄物処理費用 | 不要になった什器や粗大ゴミなどの処分費用。 |
店舗の広さや業態によって異なりますが、トータルで数百万円単位の出費になることも珍しくありません。閉店費用の内訳や相場感についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
閉店コストを大幅に削減する「居抜き売却」という選択肢
原状回復や撤去が高額になりやすい飲食店では、内装・設備を残して引き継ぐ「居抜き売却」が有効な場合があります。居抜き売却は、物件の内装・設備(造作)を次の借り手に引き継いでもらい、店舗を売却して退去する方法です。条件が合えば、工事費の圧縮だけでなく売却益の確保も期待できます。
ただし、居抜き売却は飲食店オーナー単独では成立しません。貸主の承諾、契約条項の確認、引渡し条件の整理、買い手募集といった条件をクリアする必要があるため、早期の準備がポイントです。原状回復費用で手元資金を減らすのではなく、居抜き売却をして次の人生の軍資金を作ることも検討してみてはいかがでしょうか。
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