飲食店の閉店にかかる費用は?内訳や必要な手続き・負担を減らす方法を解説

飲食店を閉店する際は、さまざまな費用が必要です。しかし、具体的に何に・どのくらい費用がかかるかご存知の方は少ないはず。今回は、飲食店の閉店にかかる費用の内訳と必要な手続きについてご紹介。少しでも費用負担を減らす方法も解説しますので、飲食店の閉店を検討中のオーナー様はぜひ参考にしてください。
飲食店の閉店に必要な費用はいくら?
飲食店の閉店費用は、飲食店の規模や物件の賃料、従業員の人数、 閉店方法などさまざまな状況により大きく異なります。 |
飲食店の閉店にかかる費用は、店舗の立地や規模、毎月の賃料のほか、従業員数や閉店の方法などお店の状況により大きく変動します。たとえば、賃料50万円、20坪の飲食店で通常閉店のシミュレーションをした場合、閉店費用は450万円程度かかる見込み です。この金額には従業員への退職金などの人件費、不要品の処分費用などは含まれていないため、実際の閉店費用はさらに上がります。
資金が底をついてから閉店を決断した場合、これらの費用をまかなえません。よって、計画的に閉店を考えることが重要です。
飲食店の閉店に必要な費用の内容・内訳

飲食店の閉店に関する概算の金額がわかったところで、次は費用の細かな内訳について解説します。
解約予告期間分の賃料
解約予告期間とは、飲食店物件の貸主に賃貸契約の解約を申し出てから、実際に退去するまでの期間です。詳しくは賃貸契約書に記載されていますが、一般的に2〜6ヶ月程度前に物件のオーナーへ申し入れを行う必要があります。
実際に飲食店の営業を終了しても、物件契約を解約するまでは賃料の支払いが必要です。また金額は、賃料や解約予告期間により大きく異なります。
【解約予告期間分の賃料の例】 毎月の賃料が50万円、解約予告期間が2カ月の場合、100万円必要 |
ライフラインの使用料金
電気、ガス、水道などの使用料金は、契約をやめる日まで発生します。ガスなどは、閉栓の際にガス会社の立ち会いが必要な場合もあるため、計画的な手続きが重要です。物件やライフラインの契約を解約するタイミングによって、支払いが必要な料金が変動するので、詳細を確認しておきましょう。
リース品の残額料金
リース契約をしている厨房機器や内装設備があり、契約期間が残っている場合は残額の支払いが必要です。リース契約は基本的に途中解約ができませんが、まとめて残額を支払えば解約できるケースもあります。リース会社によっては、違約金がかかる可能性もあるため、事前に契約内容を確認しましょう。
不要品の処分費用
飲食店舗で使用していた設備や備品は、基本的に一般ごみとしては処理できないため、産業廃棄物として処分しましょう。処分する際は専門業者への委託費用が必要で、不用品やごみの量に比例して金額がかさみます。費用軽減のため、リサイクルや買取りなどを検討することが大切です。
人件費
雇用している従業員へは、原則として解雇日の30日以上前に「解雇予告」を行ってください。解雇予告が解雇日の30日前に間に合わない場合、平均賃金の30日以上分の金額を「解雇予告手当」として解雇日に支払います。
必要な合計金額は、従業員の人数や過去の賃金により変動。後のトラブルを避けるために、事前にしっかりと試算を行いましょう。
【解雇予告手当の計算方法】 (1)または(2)どちらか高い方を支払う。 (1):過去3カ月間の合計賃金÷過去3カ月間の暦日数 (2):過去3カ月間の合計賃金÷過去3カ月間の労働日数×0.6 |
原状回復工事の費用
原状回復工事とは、外装・内装含め物件を借りたときの状態に戻す工事です。賃貸物件の場合、基本的に原状回復義務が課されることは契約時から覚えておきましょう。
工事にかかる費用は、1坪あたり2〜4万円程度で計算されることが多いです。具体的な金額は、店舗の規模や工事の範囲・程度によって大きく変動します。
原状回復工事費用の目安: 約250万円 |
※賃料50万円、20坪の飲食店を例にシミュレーションした目安金額
【やること一覧】飲食店を閉店する際の主な流れ
1.貸主に解約の申し出を行う 2.閉店の告知をする 3.行政機関に書類手続きを行う 4.各種契約の解約手続きを行う 5.不用品を処分する 6.原状回復工事を行う 7.物件の鍵を返却する |
閉店をする際の主な手続きの流れは上記の通りです。はじめに、貸主に物件の解約の申し出をし、従業員や取引先、顧客への閉店告知を行います。行政機関にも、廃業届をはじめ各種届出・申請書の提出が必要です。
また、電気・ガス・水道、インターネットなどのライフライン、リース品など経営にあたり使用している各種契約の解除を行います。厨房設備や調理器具などをリサイクル・造作譲渡しない場合は、産業廃棄物として処分が必要です。不用品などを店舗から撤去した最後は、通常閉店の場合は原状回復工事を行います。
飲食店の撤退に必要な手続きは?費用や負担を減らす方法はこちら
飲食店を閉店する際の注意点

各種費用や手続きの流れがわかったところで、ここでは閉店作業に関する注意点について解説します。
賃貸契約書の内容をよく確認する
賃貸契約書には、閉店の際に必要な原状回復のルールや解約予告期間などの詳細が記載されています。物件契約から時間が経っている場合は、内容を忘れてしまっていることも多いです。閉店が決まった際は、改めて内容を確認してください。
閉店から撤退までのスケジュールを明確にする
閉店にはここまで解説した通り、さまざまな費用がかかります。できる限り費用を抑えるために、賃貸契約書に記載の内容、解約予告期間などのルールを踏まえ、綿密なスケジュール立てが重要です。時間を無駄にせず、スケジュール管理を徹底しましょう。
保証金が全額返金されない可能性を考える
保証金とは、飲食店の物件を借りる際に貸主に担保として預けるお金です。基本的に、物件契約を解約すれば保証金は返還されますが、全額返金になるとは限りません。賃貸契約書に「償却分を差し引く」とある場合や、家賃を滞納した場合は、これらを差し引いて残った分が返金されます。
また、返金される時期も物件のオーナーにより異なるため、撤退の費用への充当を検討するなら事前に確認をしておきましょう。
【保証金が全額返金されない主な例】 ・賃貸契約書で「退去の際に◯%償却」などと定められている場合 ・家賃等の料金滞納があった場合 ・原状回復工事を十分に行わなかった場合 など |
閉店までスタッフへの気遣いを忘れずに行う
飲食店舗で働くスタッフにとっては、閉店=解雇であることを常に留意しておいてください。解雇通知から実際の閉店まで時間がある場合は、モチベーションの低下によるサービス品質への影響が懸念されます。心情を配慮し、徹底したサポートが大切です。
飲食店の閉店費用を安く抑えるには?
飲食店の閉店費用をできる限り抑えたい場合は、通常閉店ではなく「居抜き売却」がおすすめです。居抜き売却とは、「看板を変えれば明日からでも営業できる状態」で飲食店舗を売却すること。以下のようなメリット・デメリットがあります。
【居抜き売却のメリット・デメリット】
メリット | デメリット |
・閉店時のコストを削減できる ・造作譲渡により追加利益を得られる ・閉店間際まで飲食店を営業できる | ・交渉に手間がかかる可能性がある ・前の店のイメージが残る可能性がある |
一番のメリットは、原状回復工事によりスケルトン状態に戻す必要がなくなり、費用を軽減できる点です。設備や内装の状態によっては、次のオーナーに造作譲渡を行い、売却益を得ることもできます。
一方で、居抜き売却をするには、物件の貸主から許可を得なければなりません。交渉をスムーズに行うためには、居抜き売却の専門業者に依頼するのがおすすめです。
飲食店の閉店費用を抑えるなら「店舗買取り.com」で居抜き売却!

【店舗買取り.comがおすすめの理由】 ・業界初「売却手数料0円」で利用できる ・テナント貸主と直接交渉して負担を軽減できる ・オーナー様の希望に合わせた売却先を見つけてくれる |
「店舗買取り.com」は、飲食店舗の居抜き買取りの実績が豊富で、閉店費用を抑えたい飲食店オーナーの強い味方です。売却手数料0円で利用できるのもおすすめのポイント。
閉店時に必要な申請や手続きは、テナント貸主と直接やりとりして交渉します。「造作譲渡契約書」の作成や造作の買取りも実施しているため、慣れない手続きが多い閉店作業もスムーズに進められるでしょう。
また、売却先を見つける「居抜き店舗.com」も合わせて運営。出店希望者が80,000人を超えるサービスのため、理想的な売却先が見つかります。
飲食店の閉店費用を削減するには、居抜き売却がおすすめ!
飲食店を閉店する際は、解約予告期間分の賃料や人件費、原状回復工事などさまざまな費用がかかります。余計な費用と時間を費やさないために、必要な手続きの流れを把握し、計画的に行動しましょう。
閉店費用を軽減したい飲食店オーナー様には、通常閉店ではなく、居抜き売却がおすすめ。「店舗買取り.com」なら、飲食店の売却・撤退・閉店を一貫してサポートします。業界初の「売却手数料0円」で利用ができるため、コストをできる限り抑えて早期に店舗を売却したいオーナー様はぜひご相談ください。
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