【比較】リースとレンタルの違いを解説!メリット・デメリット・飲食店におすすめなのは?

リースとレンタルの具体的な違いをご存知でしょうか。飲食店を開業、経営する際に知っておきたいリースとレンタルの違いや、メリット・デメリットについてご紹介します。また、リース・レンタルを契約する際の注意点についても解説しますので、上手に活用しましょう。
【比較一覧】リースとレンタルの違いは?
リース | レンタル | |
契約期間 | 長期間(3〜10年など) | 短期間(1日、1カ月など) |
対象設備 | 自由に選べる | レンタル会社所有設備から選ぶ |
設備の状態 | 新品 | 中古 |
設備の所有権 | リース会社(実質契約者) | レンタル会社 |
料金 | 設備価格×リース料率 | 一定料金 |
月額料金 | 比較的割安 | 比較的割高 |
途中解約 | 原則不可 | 可 |
会計処理 | 資産として計上 | 経費として計上 |
保守・修繕義務 | 契約者 | レンタル会社 |
期間満了後 | 返却or再契約or買取り | 原則返却 |
リースとは、契約者が希望した設備をリース会社が購入した後に、長期間借りられる仕組みを指します。対してレンタルは、レンタル会社が在庫を保有する設備から選び、短期間で借りられる仕組みです。
リースもレンタルも設備を借りて使用するため混同しがちですが、契約期間や選べる設備の範囲、中途解約の可否、会計処理などに違いがあります。リースとレンタルの具体的な違いは下記の通りです。
契約期間の違い
リースは、年単位の比較的長い契約期間で利用します。例外的に半年など短期間の場合もありますが、基本的には年単位での利用が想定される、コピー機やパソコン、重機などで契約されることが多いです。
一方レンタルは、1日・1カ月など短期間で契約できます。レンタル会社によっては、数時間での契約が可能なケースも。リース、レンタルともに、具体的な契約期間は会社によって違いがあります。
対象設備・状態・所有権の違い
リースは、自店に合う設備を好きなメーカーやブランドから選んで契約できます。選んだ設備をリース会社が購入して契約する仕組みのため、選択の自由度が高いでしょう。新品の設備も利用可能です。設備の所有権はリース会社が持っていますが、実質の所有権は設備を利用する契約者と考えられます。
対してレンタルは、レンタル会社が所有している設備の中から選んで契約する仕組みです。そのため、利用できるのはレンタル会社が在庫を保有している中古の設備のみとなり、選べる幅は狭くなるでしょう。
料金・月額料金の違い
リースの月額料金と合計金額は、以下の式で算出されます。
月額料金 = 設備の購入価格 × リース料率 合計金額 = 月額料金 × 契約期間(月数) |
リースは毎月一定金額を支払う仕組みです。リース料率はリース会社によって異なり、トータルの支払い金額は設備の購入価格を上回ります。管理責任が借受け側にある点も特徴です。
一方レンタルは、レンタル会社が設備ごとに個別で定めている金額を支払います。レンタルする期間や日数によって料金は異なりますが、月額料金で比べると、レンタルよりもリースの方が比較的安価な傾向にあるでしょう。
途中解約の違い
原則、リースは契約期間の途中で解約できません。リース会社は、物品の購入金額を回収することを前提に、契約者が希望する設備を購入して賃貸する仕組みのためです。もし途中解約を希望する場合は、残りのリース料金をまとめて精算したり、違約金を支払ったりする必要があります。
レンタルの場合は、基本的に契約期間の途中でも解約が可能です。
会計処理の違い
リースは、大きく以下の2種類に分けられます。
ファイナンス・リース | ・リース期間中の途中解約が不可 ・契約者が設備購入費用などを全額支払う |
オペレーティング・リース | ファイナンス・リース以外のもの |
ファイナンス・リースは、リース品を「資産」として、オペレーティング・リースは「経費」として会計処理を行います。
ただし2019年1月以降、国際会計基準(IFRS)を適用している企業の場合は、すべてのリースで「資産計上」できるように変わりました。資産計上する場合は、「償却資産」や「固定資産」など、設備の種類に合わせた会計処理が必要です。
一方、レンタルの料金は基本的に「経費」として計上します。
保守・修繕義務の違い
リースの場合、契約上の所有権はリース会社ですが、実質の所有権は契約者です。そのため、設備の故障や不備が生じた場合のメンテナンス費用は、契約者が負担します。万が一設備が破損した場合も、契約者が負担することになるため、管理が煩雑に感じる場合もあるでしょう。
レンタルの場合は、設備の所有権がレンタル会社にあり、万が一破損した場合の負担もレンタル会社にかかります。
期間満了後の違い
リースの契約期間が満了したときは、一般的に「返却」「再契約」「買取り」のいずれかを選びます。ただし、リース会社によって対応が異なる場合もあるため、満了後の対応について事前に確認しましょう。
レンタルの場合は、レンタル会社への返却が基本です。レンタル会社によっては、一定の年数契約をすれば契約者に所有権が渡る場合もあります。
飲食店ではリースとレンタルどちらがおすすめ?それぞれのケースについてはこちら
リースとレンタルのメリット・デメリット

リースとレンタルには、それぞれどのようなメリット、デメリットがあるのか、具体的に解説します。
リースのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・自店に適した設備を自由に選べる ・設備導入の初期費用を抑えられる ・最新の設備を導入できる ・ランニングコストがわかりやすい | ・トータル料金が高額になりやすい ・原則途中解約ができない ・修理やメンテナンス費用がかかる ・審査を受ける必要がある |
リースのメリット
リースの大きなメリットは、好きなメーカーやブランドから、自由に設備を選んで契約できることでしょう。選ぶものに制限がない分、自由度が高いです。レンタルと比べて新品を利用できるため、最新設備の導入も可能。
また、導入の初期費用を抑えつつ、自店に適した設備を見つけやすい点もメリットといえます。毎月の費用が明確で、今後かかるランニングコストがわかりやすいため、資金計画も立てやすくなるでしょう。
リースのデメリット
リースの契約期間中は、毎月一定の料金を支払い続ける必要があります。購入やレンタルと比べて費用がかさみやすいため、注意が必要です。
また、一度契約すると、契約期間満了前の解約は原則不可です。万が一、途中で解約する場合は、残りのリース料金を一括で支払う必要があるため、大きな負担がかかる可能性があります。
さらに、設備に不備が生じた場合、修理費用やメンテナンス費用を負担する必要がある点もデメリットといえるでしょう。
レンタルのメリット・デメリット
メリット | デメリット |
・必要な時期だけ利用できる ・不要になった際に途中解約ができる ・メンテナンス費用を負担せずに済む ・レンタル料金の経費計上ができる | ・選べる設備が限定される ・最新設備の導入は難しい ・1回あたりの料金が比較的高い |
レンタルのメリット
レンタルは、必要な設備を必要なときだけ契約して利用できます。短期間のみ使用したい場合に便利で、契約期間途中の解約も可能です。必要な設備を期間限定で気軽に契約できる点がメリットといえるでしょう。
また、修理義務などはレンタル会社にあります。メンテナンスが必要な際も、通常利用の範囲の不具合ならば、基本的に追加の費用負担はありません。
レンタルのデメリット
レンタルでは、レンタル会社が所有している設備のみに限定されるため、選択肢が限られる点が大きなデメリットです。レンタルできる設備は基本的に中古であり、最新設備の導入はやや難しいでしょう。
また、リースと比べると、1回あたりのレンタル料金は比較的割高です。短期間での利用や、解約する可能性がある場合にはよいかもしれませんが、長期間の契約には不向きでしょう。
飲食店ではリースとレンタルどちらがおすすめ?

リースがおすすめのケース
・開業時の設備導入費用を安く済ませたい ・できる限り安く最新設備を導入したい ・年単位の長期間での利用を考えている |
上記に当てはまる飲食店の場合には、レンタルよりもリースがおすすめ。リースは、初期費用を抑えて、最新設備から自店に適したものを自由に選べるためです。
レンタルは、比較的短期間の契約を想定しています。設備を長期間利用することが想定される飲食店経営においては、年単位のまとまった期間利用できるリースの方が便利でしょう。
レンタルがおすすめのケース
・近々設備の購入を考えている ・ごく短期間だけ設備を利用したい ・中古設備の利用がとくに気にならない |
上記に当てはまる飲食店は、リースよりもレンタルが便利でしょう。飲食店開業時のごく短期間だけ設備を利用するなら、長期契約が基本のリースは不便に感じる可能性があります。
また、リースは原則途中解約ができません。とくに、のちのち設備の購入を検討中で、購入までの期間中だけ設備を使いたい場合は、トータル費用が安く済むレンタルがよいでしょう。
【飲食店向け】リース・レンタルを契約する際の注意点
リースやレンタルはメリットも多く、契約を検討する人も多いでしょう。しかし、事前に知っておかないと不利になることも。飲食店経営においてリースやレンタルを契約する際に、知っておきたい注意点について紹介します。
ランニングコストやトータル費用を考慮する
リースとレンタルどちらを利用する場合も、契約期間中は一定金額を支払う必要があります。とくにリースは、レンタルや購入と比べて、トータル費用やランニングコストが高額になりやすいです。
リースやレンタルを契約する前に、設備を利用したい期間を踏まえて、トータル費用やランニングコストを計算しておきましょう。ある程度必要な費用を把握してから、無理のない範囲で契約を検討することが大切です。
リースは途中解約できない点を踏まえて契約を検討する
リースは、原則として契約期間の途中で解約ができません。せっかく開店した飲食店でも、経営が安定せず閉店する可能性もあります。万が一の事態では、リース残額の清算や違約金の支払いをする必要がある点に注意しておきましょう。
なお、リース契約に限らず、飲食店を閉店する場合には物件の売却や原状回復工事の実施など、さまざまな費用がかさみます。閉店時にリースの残額をまとめて支払うのは大きな負担といえるでしょう。将来の経営も見据えたうえで、リースかレンタルかをよく検討してください。
リースやレンタルに関するQ&A
リースやレンタルに関する、よくある質問にお答えします。
Q.リースとレンタルの法律上の違いは?
A.定義や扱いに違いがあります。 |
民法の規定では、レンタルは「賃貸借契約」に当てはまります。一方リースは、金融取引に近い性格を持っているため、一般的に「物融」と表現されることが多いです。
また、法人税法においては、リースは資産の賃貸借のうち「途中解約できない」「資産の使用に伴う費用を負担する」などの条件を満たすもの、とも記載されています。リースの契約期間は、その設備の法定耐用年数で決定される点も法律上の違いとして知っておきましょう。
Q.リース・レンタルと割賦の違いは?
A.主に所有者が異なります。 |
割賦とは、分割払いを指します。リース・レンタル・割賦のもっとも大きな違いは所有者でしょう。リース・レンタルの所有者は、それぞれリース会社、レンタル会社です。割賦は、分割払いが完了した後は、その物品の所有権が「購入者」に移転します。
Q.リースやレンタルと購入ではどれが一番お得?
A.契約期間によりますが、トータル費用でみると「購入」が一番お得です。 |
長期間契約する場合、トータル費用を考えると設備を購入するのが一番費用が安く済みます。設備を一括で購入する場合、リースやレンタルのように契約期間中の手数料や毎月の一定の支払いは必要ありません。
ただし、設備の購入には最初にまとまった資金が必要です。ごく短期間使用したい場合や、最初に大きな費用を準備するのが難しい場合は、購入よりもリースやレンタルが便利なケースもあります。将来的に設備の購入を考えている場合も、必要に応じてリースやレンタルを活用するのがおすすめです。
リースとレンタルの違いを知り、上手に利用しましょう
リースとレンタルは、契約期間や選べる設備の範囲、途中解約の可否などに違いがあります。
飲食店を開業する際は、さまざまな費用が必要で、設備を一度に購入することが難しい場合もあるでしょう。リースやレンタルを上手に活用すれば、飲食店開業時の費用負担を軽減できます。メリット・デメリットを理解したうえで、飲食店の経営状況に合う方を選択しましょう。
「店舗買取り.com」は、飲食店舗の売却・撤退・閉店などを一貫してサポート。飲食店舗についてのノウハウを多く持ち、業界初の「売却手数料0円」で、飲食店経営者様のお悩みに寄り添います。コストをできる限り抑えて、早期に店舗を売却したいと考えているオーナー様は、ぜひお気軽にご相談ください。
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