ノーゲスに陥る5つの理由とは？具体的なシーンや注意点、対処法を解説

「ノーゲス」は、飲食店を経営するオーナー様の多くが悩む問題です。ノーゲスに陥る飲食店には、いくつか共通した理由があります。今回は、ノーゲスの正しい意味と陥りやすいケース、その原因をご紹介します。ノーゲスの日の注意点や解消するための対処法も解説しているので、ぜひ飲食店運営の参考にしてください。

ノーゲスとは？

ノーゲスとは、1日中お客様が来店せず、売上がない日のこと

「ノーゲス」とは、飲食店が営業中であるにも関わらず、1日に1人もお客様が来店しない状態を指します。「ノー・ゲスト」または「ノー・ゲスト・デー」を短縮した言葉です。

ノーゲスの状態では売上が一切出ませんが、水道光熱費や原材料費などの経費は変わらずかかります。飲食店にとっては赤字となるため、大きな打撃といえるでしょう。

ノーゲスに陥りやすいケース

・開店初期 ・悪天候や自然災害 ・イレギュラーな事態

ノーゲスに陥る場面として、開店初期や気候の状態など特定の状況が挙げられます。具体的にどのようなシチュエーションであるか、みていきましょう。

開店初期

開店初期は、飲食店の広告宣伝が行き届いていない場合、ノーゲスになりやすい傾向があります。また、新しい店舗への物珍しさから最初のうちだけ賑わい、徐々にお客様の関心が薄れてしまうケースも多いでしょう。

開店初期にノーゲスになる場合は、お客様のニーズに合うようにメニューを改善することや、プロモーション方法の見直しが必要です。ノーゲスを回避する余地は十分にあるといえます。

【具体的な対応策】 ・サービス改善や従業員教育の実施 ・チラシ配布など店頭プロモーションの実施　など

悪天候や自然災害

大雨や台風といった悪天候や地震など自然災害が原因で、お客様が来店できずにノーゲスに直面するケースもあります。

このようなパターンは、飲食店に限って起こるわけではないため、経営について深く心配する必要はありません。悪天候などの際には、下記のような普段手を付け兼ねている作業に取り組むとよいでしょう。

【具体的な対応策】 ・経理や事務の処理 ・店内在庫のチェック ・手が回らない場所の掃除　など

イレギュラーな事態

イレギュラーな事態として、感染症による緊急事態宣言などが原因でノーゲスになることも。悪天候や自然災害が原因の場合と同様に、この飲食店に限った問題ではありません。

しかし、イレギュラーな事態を乗り切り経営を続けるためには、営業形態や営業計画野変更、提供サービスの見直しなど臨機応変な対応が求められます。

【具体的な対応策】 ・デリバリーサービスの拡充 ・テイクアウトオプションの提供 ・オンライン販売の開始　など

お店の運営面が原因の場合は要注意

ノーゲスはさまざまなシーンで陥る可能性がありますが、お店の運営面に問題がある場合はとくに注意が必要です。

お店のサービスの質や店内の雰囲気などに問題があり、お客様を積極的に呼び込む環境が整えられていないことでノーゲスにつながってしまいます。ノーゲスを引き起こす要因として、具体的に次のような理由が挙げられます。

ノーゲスを解消する方法はこちら

ノーゲスに陥る理由は？

・お客様に認知されていない ・外観がわかりづらい ・競合にお客様が流れている ・よくない口コミや評判が立っている ・清潔感がない

飲食店がノーゲスに陥る理由には、店内外の印象やサービスの質などが挙げられます。原因を分析して、ノーゲスを解消するための参考にしましょう。

お客様に認知されていない

新しく開店したばかりの店舗や開業した地域での知名度が低い場合には、お客様に飲食店の存在やサービス内容が伝わっていない可能性が高いです。

飲食店の認知度を上げるために、集客を増やせる効果的な広告手法や、マーケティングプランを策定しましょう。その飲食店に合った方法で、ターゲット層の興味をひきつける情報を発信することが重要です。

また、周囲の飲食店との競争状況や、市場の需要と供給のバランスを考慮することもポイント。他店との差別化を図り、その飲食店ならではのオリジナル性を打ち出しましょう。

外観がわかりづらい

飲食店の建物や看板が他の建物で埋もれている、アクセス方法がわかりにくいなどの場合、近くを通ってもお店に気づかない場合が多いでしょう。飲食店の駐車場や店舗の入口がわかりにくい場合も、お客様の来店する意欲を低下させる要因になりかねません。

また、外観のデザインや装飾が魅力的ではない際は、お客様の興味関心をひけずノーゲスにつながるケースもあります。ノーゲスを回避するには、内装だけではなく外観や看板のデザインにもこだわることが大切です。

競合にお客様が流れている

同業他店との競争が激しい地域に飲食店を構えた場合、お客様の分散や流れが生じてノーゲスになるケースがあります。競合店が多かったり、競合店の方が質の高いサービスを提供していたりすると、ノーゲスが続く可能性が高いでしょう。

ノーゲスを回避するためには、しっかりと競合店を調査して差別化を図ることが必要です。

よくない口コミや評判が立っている

お店のネガティブな口コミや評判が広まると、お客様が来店を避ける場合があります。提供する料理の品質や印象がよくないサービスの体験などがお客様に伝わることで、お店の信頼性低下やノーゲスにつながってしまうでしょう。

インターネットやアプリの普及に伴い、悪い口コミはすぐにSNSなどで拡散されやすい特徴もあります。料理だけではなく、従業員全員で接遇マナーを改善して常に接客を丁寧に行い、お客様からの信頼を得ることが大切です。

清潔感がない

店内が清潔感のない状態であったり、使用するテーブルやトイレなどが汚れていたりすると、お客様に不快感を与えます。お店の第一印象が悪いと、お客様が来店をためらい他の店を選択する可能性が高くなるでしょう。

とくにコロナ禍以降は、お客様がお店の衛生状況を気にする傾向が増加。中でも食材の保管、調理場の清潔さ、従業員の衛生管理などが注視されています。

ノーゲスを回避するためには、店内外の清掃を徹底し、お客様に清潔な印象を与えることが大切です。

ノーゲスの日にできること

・サービスの向上 ・メニューや料理の改善 ・店内の整備とマーケティング活動

さまざまな理由でノーゲスに陥ってしまった日でも、今後の運営のためにできることがあります。お店をよりよくするための参考にしてください。

サービスの向上

ノーゲスの日はお客様対応がほとんどなく、スタッフに余裕が生まれやすくなります。そのため、サービスの向上に取り組む日として最適でしょう。

お客様への接客や対応のマナーを学んだり、サービスの改善点を洗い出したりすることがおすすめです。ノーゲスの日を活かしてサービス向上に努めることで、今後の接客においてお客様の満足度を高めることにつながります。

メニューや料理の改善

ノーゲスの日は、提供する料理のクオリティやメニューの改善に時間を費やす絶好の機会です。スタッフ同士で料理の見た目・味・バリエーションについて検討し、お店をよくするための改良点を話し合うチャンスを得られます。

さらに、新しいメニューアイテムの開発や、お客様から喜ばれやすい季節限定メニューの検討にも時間を割くとよいでしょう。

店内の整備とマーケティング活動

ノーゲスの日にはお客様に迷惑をかけることがないため、店内の整備や清掃にも力を入れられます。店内の清掃を行う際には、商品のレイアウトや陳列方法の改善・ディスプレイの見直し・装飾の変更なども同時に取り組み、店内の魅力を高めることに努めましょう。

また、時間があるうちに、SNSやウェブサイトなどのプラットフォームも活用してマーケティング活動も行い、情報発信をしながらお客様の認知度を向上させることも有効です。

ノーゲスの日の注意点

・営業時間であることを忘れない ・安易にお店を閉めない ・スタッフのモチベーションを下げない

ノーゲスの日はサービス向上やメニュー改善などに力を入れられますが、注意しておきたいこともあります。スタッフ間で意識したい注意点はこちらです。

営業時間であることを忘れない

ノーゲスの日であっても、営業時間内であることを忘れてはいけません。営業時間内は、お客様に開店中であることを示す必要があります。

スタッフは店内に常駐し、通常の業務を継続しましょう。お客様がいないからといって、だらだら過ごしたりスタッフ同士で騒いだりするのは控えましょう。

安易にお店を閉めない

ノーゲスの日を利用して、店内の清掃やメニュー開発に力を入れることは大切ですが、簡単にお店を閉めるのは避けましょう。営業時間内にお店を閉めてしまうと、万が一お客様が来店された際に「営業時間なのに閉まっていた」とお店にとってよくない噂が立つ可能性があります。

今後の集客にも影響が出やすくなるため、ノーゲスの日であっても営業時間はしっかり守りましょう。

スタッフのモチベーションを下げない

ノーゲスの日はお客様と関わる機会が減るため、スタッフのモチベーションが下がり少し沈んだ気分になりやすいです。モチベーションが下がり店の経営方針に不満を抱くと、スタッフの離職につながり兼ねません。

スタッフのやる気や結束力を高めるために、チームミーティングやフィードバックセッションを行ってみましょう。士気を高めることで、ノーゲスの日でもスタッフとしての意識をキープできます。

ノーゲスを解消するには

・お客様が来店しやすいきっかけをつくる ・移転を考える ・店舗の閉店も検討する

ノーゲスを解消するには、お客様の立場に立った行動や思い切った決断が大切です。飲食店経営を安定させるために、次のような対応を行ってみましょう。

お客様が来店しやすいきっかけをつくる

ノーゲスを解消するには、お客様がその飲食店に足を運びたくなるようなきっかけづくりが必要です。お客様にとって来店することがメリットになる、次のような対応が挙げられます。

【来店しやすいきっかけづくりのポイント】 ・割引キャンペーン ・ポイントカード ・「雨の日」「雪の日」等天候イベント　など

お客様の来店を促すサービスをつくることで、お店のリピーターが増えて、売り上げが安定する可能性が高くなるでしょう。

移転を考える

ノーゲスの原因が立地にあると考えられる際は、店舗の移転を検討してみましょう。飲食店の立地は、お客様の来店数にも関わる非常に重要な要素です。

店舗移転には一時的なコストがかかりますが、今よりも好条件の立地に移転できれば利益が生まれる可能性が高くなります。

【店舗移転を考えるポイント】 ・近隣に競合店が多い ・周辺の建物でお店が隠れてしまう ・お店が細い路地に面している　など

店舗移転について詳しくはこちら

店舗の閉店も検討する

ノーゲスを回避できない際や店舗の移転費用を捻出できない場合は、思い切って店舗の閉店も検討しましょう。早い段階で閉店を決断することで、赤字を最小限に抑えられます。

しかし、基本的に飲食店を閉店する際には、物件を借りる前の状態に原状回復工事が必要です。その工事にも、一定の費用がかかるため、簡単には決断できないでしょう。

そこでおすすめなのが、内装や厨房などの設備をそのままに売却する「居抜き売却」。閉店時に必要な費用を最低限に抑えられるうえ、店舗の状態によっては大きな売却益を得られるケースもあります。

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ノーゲスを解消できない場合は居抜き売却を検討しよう

ノーゲスは、さまざまな理由で発生します。ノーゲスを回避するには原因が何かを考え、サービス向上やメニュー改善などに努めることが大切です。お客様が来店しやすいように、外観やキャンペーンなどに力を入れるのもよいでしょう。

ノーゲスが続く場合は、思い切って店舗移転や閉店を考えるのも手段のひとつ。居抜き売却であれば、飲食店オーナー様の負担を軽減して売却益を手に入れられます。
今回の記事を参考にノーゲスの原因を知り、自店に合った改善策を取り入れてください。

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